土木構造物設計ガイドライン改定/「全体最適」思想に転換/コンクリ工の生産性向上

 国土交通省は、コンクリート工の生産性を高める取り組みとして、1996年度に策定した『土木構造物設計ガイドライン』を見直す。最大の目的である「生産性の向上」を念頭に、経済性を重視してきた従来の対応から、人口減少を背景にした省人化に対する社会的な要請や、昨今の技術・工法の進展も踏まえた「全体最適」の思想を取り入れていくことが狙い。
 14日の「コンクリート生産性向上検討協議会」(会長・前川宏一横浜国立大都市イノベーション研究院教授)で、コンクリート工における生産性をターゲットにした、これまで3カ年の取り組みを整理。設計段階における取り組みを重視してきた3カ年の集大成として「土木構造物設計ガイドライン」の年度内の改定を報告した=写真。
 従来のガイドラインは、労働者の高齢化や熟練技能工の不足といった社会環境を背景に、設計に対する考え方として「標準化」を念頭に置いていたが、さらなる高齢化や新技術・工法の進展から「全体最適」の思想を組み込んでいく方針を示す。
 3カ年で取り組んできたプレキャスト製品の活用だけでなく、これまでに打ち出してきた機械式鉄筋定着工法や機械式鉄筋継手工法、流動性を高めたコンクリートの活用(スランプ値の見直し)、埋設型枠やプレハブ鉄筋といった、いわゆる要素技術の進展を的確に反映。経済性を重視する従来の対応から「全体最適」を意識した設計思想への転換を図る。
 例えば、材料を最小とするような「部分最適」(コスト重視)の設計思想から、構造、材料、施工計画など生産プロセス全体の生産性を意識した設計思想へと転換。「品質」「コスト」「時間(工期)」の最適化を目指す。
 全体最適を見据えたプロセス全体での生産性の向上に取り組む中で、設計段階に重点を置いてきた検討の“枠”も拡大。今後の展開として新たに現場での施工・製作、検査、維持管理などに着目した検討を進めていく。
 2019年度以降の取り組み方針として、現場における品質管理や革新的技術・工法の導入、データ化による生産プロセスの合理化(BIM/CIMの活用)を抽出。新たに高流動コンクリート等の適用に向けた基準類の整備(現場施工のさらなる効率化)や、情報共有による監督・検査の効率化、コンクリート工における3次元データの活用などに取り組んでいく方針を示す。

Source: 建設通信新聞
土木構造物設計ガイドライン改定/「全体最適」思想に転換/コンクリ工の生産性向上