YKK パッシブタウンを総括/年内に4-6街区の方向性/居住者7割以上が満足

 YKK不動産(吉田忠裕社長)が富山県黒部市に建設を進めているパッシブタウンについて、これまでに完成・供用している1-3街区の省エネ性能などの評価結果が9日、富山県黒部市のホテルで発表された。外部の専門家らが膨大な取得データや居住者アンケートなどをもとに、パッシブデザインを総合的に評価した。吉田社長は残る4-6街区について「今回の報告を踏まえ、年内にも方向を決めたい」と述べ、年内の設計者選定の可能性も示唆した=写真。
 学識者らで構成するパッシブデザイン性能評価委員会の井上隆委員長らが報告した。同委員会は各街区で採用したパッシブデザインの効果やエネルギー削減目標が実現できたかなどについて、2016年から19年にかけ夏季と冬季に分けて竣工後の実測値を確認した。エネルギー消費量については、北陸の一般的集合住宅が1戸当たり年間43.0ギガジュールを見込んでいるのに対し、第1街区が28.2ギガジュール(搬送エネルギー含めると34.8ギガジュール)、第2街区が20.5ギガジュール、(同20.8ギガジュール)、第3街区が6.8ギガジュールといずれも下回り、省エネ効果が確認されたものの、外皮性能や設備、住まい手の意識などによって大きな差異が生じたと説明した。
 一方、居住者アンケートでは7割以上が満足と回答しているものの、夏と冬に分けた調査では各街区とも夏季に不満の回答が増加。高断熱性、高気密性が夏季住環境に課題をもたらしていることが明確になった。総括した井上委員長は高い断熱性能を持つ樹脂窓の採用などによる外皮性能の強化とともに、居住者への適切な情報提供が省エネ、満足度向上の両面で極めて重要であると強調。また、「パッシブタウンの評価はエネルギー消費だけでなく、住まい手の視点なども加えた総合的評価で見える化していく必要がある」と語った。
 吉田社長は4-6街区について「3街区一緒に進めていく考え方もある」とも述べた。

Source: 建設通信新聞
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