工期10年超、事業費80億/渋谷区の猿楽橋架け替え

 東京都渋谷区は、竣工から80年が経過した猿楽橋を架け替える。着工時期は未定だが、施工期間は10年以上、概算事業費は約80億円を見込んでいる。1日、橋梁形式や施工時の課題・対応方針をまとめた「猿楽橋長期計画(案)」を公表し、意見書の受け付けを開始した。今後、区とJR東日本で架け替えに向けた協定を締結し、工事はJR東日本が発注する見通しだ。 猿楽橋はJR山手線・埼京線・湘南新宿ラインを横過する跨線橋。渋谷駅と恵比寿駅の間にあり、都市計画道路補助第20号線のうち渋谷区東1-32~猿楽町2番に位置する。現橋の構造は鋼造とコンクリート造で、橋長はコンクリート橋が67.2m、鋼橋が51.3m。旧山手通りと明治通りを結び、代官山町と猿楽町を抜ける幹線道路であることから、歩行者や車両の交通量が多い。
 長期計画案によると、架け替え後の橋梁形式は、取り付け部が上路式2径間連続PC版桁橋、跨線部が下路式アーチ補剛鋼床版箱桁橋と想定している。計画の策定支援業務はエイト日本技術開発が担当している。
 周辺は建物と近接しており、施工ヤードの確保が困難なため、橋下で交差し今後拡幅整備を予定する都市計画道路補助第18号線と連携して施工ヤードを確保する方針だ。
 JR東日本の鉄道運行に支障が出ないよう深夜の施工可能時間が2時間を切る上、跨線部の下面側と鉄道の間に余裕がないなど、時間的・空間的制約も厳しく、高度な技術的工夫が必要となる。
 より詳細な設計を進めるほか、JR東日本と鉄道運行の安全性確保について協議する。大規模・長期間の工事となるため、地域や道路利用者への情報発信にも取り組む。
 区は16年に整備のあり方を探る「猿楽橋検討会」を設置し、これまで8回の会合を開いた。会長の藤野陽三横浜国立大先端科学高等研究院上席特別教授を始め、有識者や区職員で構成する。▽補強による長寿命化▽仮橋位置に新橋を設置▽アンダーパス(線路部分の地下を通過)▽廃止--なども検討したが、施工期間や用地取得の影響を考慮した結果、架け替えを決めた。

Source: 建設通信新聞
工期10年超、事業費80億/渋谷区の猿楽橋架け替え